文章上手になるチェックリスト―表記の基本知識からプロの文章テクニックまで コツがつかめてすぐに使える書き方ノウハウ

この本は基礎的な勘所を、目的別に要約された、いわば「箇条書き」的チェックリストです。文章の種類は、文章を読んでもらうためにあるものです。文章を書いていくという孤独な作業に、わずらわしい雑念はつきものです。雑念はそれを断ち切ることは無理です。それを煩悩というそうです。どのような経緯で、何かを感じ取り、わたしたちはそれを、言葉にします。類書に文書づくりを扱う本は多いです。しかしチェックリストになっているものは珍しいでしょう。三島由紀夫さんが官僚時代に、上司に文面を大幅に訂正されたそうです。公文書と私文書、どちらが求められていた文章かは、承知のうえで提出されたのだと思います。よくいわれる「心・技・体」で考えると、ビジネス文書は体裁の整合性です。文学的な技巧は必要ありません。では、どういう心がけでも、伝わる文章となるかですが、業務の全体を見晴らして、各人に浸透させていくには技巧が要ります。この本に書かれてはいませんが【心で文章を書くべきでしょう】、文章の本質は”伝達”です。タイトルにある”文章上手”とは、速やかな処理能力のことではありません。相手を思いやる気持ちが大事で、親しき仲にも礼儀ありというルールが適応されます。マニュアル通りにこなしていれば、億劫なやりとりから解放される、ような姿勢では、型にはまった堅苦しい仕事しかできないでしょう。仕事は旧弊を打破するものです。伝えたい欲求があるとき、どのような手続きが必要か、迷うときに、実務的なチェックリストを使用してください。読み物を期待されては困ります。これをすれば定型の文章が書けます。見開きのページで、簡潔にまとめられています。たぶん物足りない感があると思います。わたしは本を解体して、バインダーのようにして使用。二次的作業が必要です。書籍は、使い捨て信仰でないほうが、情報をさまざまに編集できます。一冊いかがですか。わたしは蔵書？あるけれど、再購入いたします。