ベスト・オブ・ドッキリチャンネル (ちくま文庫)

佐野さんの「あれも嫌いこれも好き」で森茉莉さんと出会い初めて読んだ。なるほど、佐野さんの森さんを好きなわけがよくわかる。「書かれた人を同時代で知らないと、よくわからないし、つまらない。」と、レビューする人もいるが、ここで書かれた人やことは、森さんが生きる中で身に付けた「人を見る目」や自身の生きる規範がどんなのかってことを書き綴っていて、それは人が誰に変わろうが時が過ぎようと、好き嫌いは他人の眼ではなく自身が経験で身に付けて、自由に決めていくものだよと教えてくれ、自分の視座を作りなさいねという、佐野さんの文章にもつながったエッセイ集だと感じます。とても面白い。(日本人論としても読むことができるが、個々の人物を取り上げたゴシップ集と思って読むと失望するかも。）気に入ったのは、僕は（私は）馬鹿ですからと平気で云える人と、それを理解できる人。他のレビュアーが書かれている、沢田研二の側近について茉莉さんの書いた文章は、P45~47に記載のものだろうと思います。